Webの役割定義マップ

前回は、主にweb上だけでは追えないKPIに対してWebディレクターはどう考えるかを主に扱ってきました。今回はディレクターが意思決定するための「Webの役割定義マップ」を、
 ①考え方 → ②テンプレ → ③今回の3キャンペーン実例の順で整理しようと思います。

① Webの役割定義マップとは何か?

一言で言うと、「Webがビジネス全体のどこを担い、何を“成果”として判断するのかを明確にする設計図」です。特に来店、POS売上抽選・ポイント還元など GAでは直接測れないKPIが多い案件では必須です。

② Webの役割定義マップ(基本フレーム)

まず、すべての施策をこの 5レイヤー に分解します。

<役割:主な評価指標>

① 認知:知らせる=流入数、広告到達
② 興味・理解:内容を理解させる=滞在時間、スクロール
③ 行動意欲:やりたいと思わせる=CTA到達率
④ 行動:Web上の行動=クリック、遷移
⑤ ビジネス成果:売上・来店=POS・外部データ

Webが担うのは①〜④まで。⑤は“評価連携”で見る。
これを整理したものが「役割定義マップ」です。

③ Webの役割定義マップ(テンプレ)

実務でそのまま使える形です
(※ 企画書・評価資料にそのまま貼れる)

【Webの役割定義マップ】

■ 施策名:
■ 事業ゴール(最終KGI):

────────────────────
① Webの役割(どこまで担うか)
────────────────────
□ 認知創出
□ 内容理解
□ 行動意欲醸成
□ Web上の行動誘導
■ Webの責任範囲:①〜④まで/⑤は参考値

────────────────────
② Web上での成功条件(Success State)
────────────────────
・ユーザーが〇〇を理解している状態
・〇〇を「やってみたい」と思っている状態
・次の行動が迷わず選べる状態

────────────────────
③ 判断に使うKPI(GA等)
────────────────────
・PV/UU
・平均滞在時間
・スクロール到達率
・CTAクリック率
・外部遷移率

────────────────────
④ 測れないが重要なKPI
────────────────────
・来店数
・購買数
・POS売上
※ Webでは直接評価せず、結果連携のみ

────────────────────
⑤ 今回の評価方針
────────────────────
・Webは「〇〇の質」を評価対象とする
・KPI未達=失敗とはしない
・次回改善の材料取得を重視

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④ 今回の3ページを「役割定義マップ」で整理すると下記のようになる。

### ① ちいかわキャンペーン

| 項目 | 定義 |

| 事業ゴール | 来店・コラボ商品購入 |
| Webの役割 | 興味最大化・参加意欲醸成 |
| Web成功状態 | 「楽しそう」「参加したい」 |
| Web KPI | 滞在時間/詳細到達率 |
| Web外KPI | 購買数・応募数 |

**Webは“感情を作る装置”**

---

### ② ブリトーセール

| 項目 | 定義 |

| 事業ゴール | 対象商品の売上増 |
| Webの役割 | セール内容の即時理解 |
| Web成功状態 | 「安い」「今日買おう」 |
| Web KPI | FV視認率/直帰率 |
| Web外KPI | POS売上 |

 **Webは“告知の正確さ”が命**

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### ③ TikTokギフトカード

| 項目 | 定義 |

| 事業ゴール | ギフトカード販売 |
| Webの役割 | 外部サイトへの送客 |
| Web成功状態 | 「登録までの道筋が明確」 |
| Web KPI | 外部遷移率 |
| Web外KPI | 登録数・購入数 |

 **Webは“中継地点”**

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⑤ Webディレクターとして一番大事な使い方

このマップを使って、**必ず先に言語化すべき一文**があります。

> 「この施策でWebが担う役割は〇〇です。 
> なので、評価は△△で行います。」

これを先に出すと 

- KPI議論が荒れない 
- 「GAで売上見れない問題」が起きない 
- クライアント・上司との認識が揃う  

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